神経内科の病気
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みわ内科クリニックTOP神経内科の病気多発性硬化症


多発性硬化症


脳と脊髄には、非常にたくさんの神経細胞があります。それらの神経細胞が適切に活動することによって、意識が生み出され、物事を考え、感じたり身体を動かしたりできるのです。神経細胞は電気の流れによって興奮が伝わっていきます。電気を効率よく伝えるために電線のコードに似た構造になっており、コードの外側には絶縁体が取り巻くようにおおわれていています。この部分(髄鞘)が壊れてしまい電線コードがむき出しになってしまう病気が「多発性硬化症」です。髄鞘が壊れることを脱髄といいます。多発性硬化症は英語で Multiple Sclerosis と呼ばれており、頭文字をとってMSと略されることが多いです。

1. どういう症状ですか?

Q2. 多発性硬化症の経過の特徴は?

3. 原因は?

4. 診断は?

5. 治療法はありますか?


Q1. どういう症状ですか?

MSは若い人の病気で、女性に多いのが特徴です。症状はいろいろです。先ほど述べた脱髄がどこに起こるか決まっているわけではないからです。

例えば、比較的多い症状として、眼の神経がおかされ、視力が急にわるくなったり、視野がかけたりすることがあげられます。この症状がMSの最初の症状であった場合には神経内科より眼科を受診されと思います。ほかにも、いろいろな症状が出現することがあります。

ものが二重にみえる

ろれつが回らない(発音がわかりにくくなる)

立って歩くとふらつく、バランスが悪い

手足がしびれる、触った感覚がにぶい

手足に力がはいらない

手足が痛んでけいれんする。

字が下手になる(上手く書けなくなる)

手がふるえる

尿の異常(回数が増える、または出にくい、失禁する)

また、MSは熱に弱いのが特徴で、長くお風呂に入ると症状が悪くなることがあります。これらの症状は多発性硬化症(MS)以外の病気でもみられます。これらの症状がでたからと言ってMSの可能性が高いとは言えません。

しかし、あとで述べるように、MSという病気は「いろいろな症状が良くなったり悪くなったりする」のが特徴です。これらの症状が若い女性に出没すれば、さらにMSの疑いが濃厚になります。


Q2. 多発性硬化症の経過の特徴は?
MSの特徴は「良くなったり悪くなったすること(再発・寛解を繰り返すこと)」です。症状だけでなく病気の経過も患者さんごとにさまざまです。症状が出た後、ずっと再発しない場合(医学用語で「寛解」と言います)もあります。若いころに再発を繰り返していてもだんだん再発回数が減ってくる患者さんもいます。一方で、だんだんと悪化し病状が進んでくる場合もあります。また、激しい症状のため車イス生活になる場合もあります。



3. 原因は 

不明です。免疫の異常と関連するのであろうと考えています。本来、免疫はウイルスや細菌などを攻撃し身体をまもる機能をもっていますが、MSでは自分自身の身体を攻撃しているのではないか?と考えられています。特に髄鞘(Q1を参照して下さい)がターゲットとされていると推定されています。


では、なぜ自分自身をターゲットとした免疫反応が生じるのか?についてはわかっていません。遺伝的な要因(体質)や環境、ウイルス感染の引き金、などが考えられています。白人に多く黒人には少ないこと、寒い地域に多いことが知られています。親から子供に遺伝する病気ではありません。

Q4. 診断は?

 これがあるとMSといえる検査はありません。前述のような症状と病気の経過に加えて、いくつか検査を行い総合的に診断されます。脳・脊髄のMRIでは、多発性硬化症に特徴的な病巣(脱髄病巣)がみられます。造影剤を用いたMRIで活発な炎症がみえることがあります。脳脊髄液の検査で免疫の異常を示す所見や髄鞘が崩壊した成分がみられます。また、身体に電気を流して脳波を調べる検査(誘発電位検査)を行う場合もありますが、これは検査可能な施設は限られています。


5. 治療はありますか?

 原因が不明ですから、決定的な治療法はありません。急に症状が出た場合には速やかに副腎皮質ステロイドホルモンの投与が行われます。まず、大量点滴(3日間のパルス療法)し、その後、服薬にきりかえます。これは炎症を治療するためであって、MS再発を防ぐ作用はありませんので、だらだらと飲む必要はありません。ステロイドホルモンを長期服用すると好ましくない副作用がいろいろあることがわかっています。

 再発を防ぐためには、β-インターフェロン(ベタフェロン)の注射を行います。これは、1日おきに自分(患者さんまたは家族の方)で注射するくすりです。糖尿病の患者さんのインスリンのような感じです。インターフェロンはいろいろな副作用があるので、治療開始時には短期間入院する必要があります。β-インターフェロンを注射しても再発を完全に抑えることはできないのが現状です。

その他、症状にあわせて病状を軽くする治療を行います。ツッパリをとるくすり、けいれんを抑えるくすり、痛みをとる治療などのほか、リハビリテーションも役立ちます。


クリニックからのメッセージ

 多発性硬化症(MS)は慢性の病気です。さまざまな症状が出ますし、いつ再発するかわからないという病気に対する不安もあります。また後遺症に悩んでおられる患者さんも多いです。ステロイド治療は早ければ早いほど有効ですから、もし調子が悪くなったらすぐに病院を受診して担当医に相談してください。

 この病気は若くて働いている人に現れます。仕事のストレスをふくめ、人生や生活設計のいろいろな問題とむき合い解決しなければなりません。いろいろなことを担当医(神経内科)と相談してください。無理せず日々できることをすることが大切ですが、同じような悩みをもつ他の患者さんと接点をもつことも役立つのではないかと思います。


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