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みわ内科クリニックTOP神経内科の病気正常圧水頭症


正常圧水頭症


水頭症とは脳の中にある水分(脳脊髄液)が増えてくる状態です。この髄液の流れが悪くなったり、または吸収が悪くなって脳内の脳脊髄液のたまりが増えるのが水頭症です。水頭症にはいろいろあるのですが、ここではある種の水頭症によって、「物忘れ」「歩行のふらつき」「尿失禁」など認知症のような症状が出現すること、また適切に診断・治療されると回復できる、ということを知っていただきたいと思います。わかりやすくQ&Aにしてみました


1. どのような症状ですか

Q2. 水頭症とは?

3. 正常圧とは?

4. 原因はなんですか?

5. よくなりますか


Q1. どのような症状ですか?

「物忘れ」:昔の記憶よりも最近の記憶が目立って悪くなります。元気がなく、ぼーっとしていることが多く、何事にもやる気がなくなってきます。

「歩行のふらつき」:バランスが悪くなるため歩幅を広げないと歩けなくなります。また小刻みに歩くようになってくる場合もあります。

「尿失禁」:間にあわないこともありますが、失禁していても気づかないこともあります。これらの症状が3つともそろわない場合もありますし、後で述べるように、早期診断が大切ですから1つでも2つでもあれば要注意です。



3つの症状がこの病気の特徴と言われています。


「物忘れ」
「歩行のふらつき」
「尿失禁」です

Q2. 水頭症とは?

 水頭症とは脳の中にある水分(脳脊髄液)が、脳の中に溜まってくる状態です。しかし、脳脊髄液は正常でも 150 ccぐらいあります。要するに正常よりも増えることが問題です。

 脳脊髄液は、主に脳室と呼ばれる脳の内部と、クモ膜下腔と呼ばれる脳の表面に存在しています(動脈瘤が破裂してクモ膜下腔に出血したものが、クモ膜下出血です)。脳脊髄液の量が増えると、脳室は大きくなります(右図)。したがって、脳は圧迫されることになり、いろいろな症状が出てきます。ゆっくりと時間をかけて脳室が大きくなるのが「正常圧水頭症」です(ちなみに脳腫瘍や脳出血で急に水頭症になる場合は、急性水頭症または閉塞性水頭症といって生命に関わる緊急事態です。これと正常圧水頭症とは全く異なる病状です)。


Q3. 正常圧とは?  
 脳脊髄液は脳室の壁に部分から産生されます。脳脊髄液は脳室から脳の表面(クモ膜下腔)へと流れていき、脳の表面で吸収されます。正常圧水頭症の患者さんでは、脳脊髄液の吸収が悪くなっています。したがって、脳脊髄液の量がだんだんと増えてきます。しかし、増え方がゆっくりであるために少しずつ脳室が大きくなってきます。だから水圧(=髄液圧)があがらないので、「正常圧」なのです。一方、脳室から脳の外側に流れる脳脊髄液の流れが脳腫瘍や脳出血などでせき止められたら、脳の中で行き場を失った脳脊髄液は脳を圧迫するようになりますが、脳の回りは頭蓋骨があるので脳は膨張できません(この場合、圧が高くなるわけですね)。

Q4. 原因はなんですか?

 クモ膜下出血や髄膜炎などの後遺症で脳の表面が癒着や炎症をおこすので、脳脊髄液の吸収がわるくなります。このため正常圧水頭症になります(この場合、続発性正常圧水頭症と言います)。この続発性正常圧水頭症は、もともと病気があるために脳神経外科や神経内科などの専門家がみている場合が多いので早期に発見されることが多いです。

 一方、何も原因が見当たらない場合があり、これが大問題です。これが特発性正常圧水頭症です(「特発性」とは医学用語で原因不明のこと)。これは相当の患者さんが見逃されている可能性があります。主な症状が「物忘れ」ですから、認知症やアルツハイマー病と診断されている可能性があるからです。

正常圧水頭症は「治療可能な認知症(痴呆症)」として知られています。
5. よくなりますか
正常圧水頭症の手術は、脳神経外科の先生にしていただきます。脳室の中の脳脊髄液を脳の外に出す手術です(シャント手術といいます)。治療の効果はさまざまです。続発性正常圧水頭症の場合には劇的に回復することが多いです。一方、特発性水頭症の場合には約50%しか効果がありません。したがって、患者さんごとに手術をすべきがどうかを判断しなければなりません(脳の手術ですからとりあえずやってみよう、では済まされません)。

特発性正常圧水頭症は手術がうまくいったからといって、必ずしも良くなるとは限りません。

クリニックからのメッセージ

 正常圧水頭症は「治療可能な認知症」の一つです。この病気は見逃されてはいけません。しかし、治療(手術)したら必ず回復するわけではありません。特発性正常圧水頭症の手術をするかどうかを決めるのは専門的判断が必要で、脳神経外科や神経内科などの複数の医師と相談されるのが通常です(セカンドオピニオンを参考になさるのも良いでしょう)。髄液排除試験(実際に脳脊髄液をある程度ぬいてみて症状が改善するかどうかをみること方法)を行なうことが多いですが、これも絶対確実な検査ではありません。ただ、一つ言えることは、「治療にはタイミングがあって、症状が進行して認知機能が悪化している場合(つまり認知症が進んでしまった場合)には効果はない」ということです。

早期に診断して、慎重に対処することが大切です。ですから、「物忘れ」や「歩行のふらつき」に気がついたら、軽い症状のうちに専門医(神経内科や脳神経外科)を受診されることをおすすめします。

 
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